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ウザい?便利?追跡型広告の今と未来

追跡型広告
昨今ウザいWEB広告の代名詞となっている追跡型広告。
試しにGoogleで検索してみると、逃れるための方法がずらりと並ぶ追跡型広告。巷では「ストーカー広告」なんて呼ばれ忌み嫌われる追跡型広告。そんな追跡型広告の『今』と『未来』について、現役WEB広告の中の人がポジショントーク無しに語ります。(WEB広告にあまり詳しくない方むけに、かなり簡略化してお話しします。)

そもそも追跡型広告って?

バナー広告車検の時期が近づいたので、中古車販売会社のWEBサイトを閲覧。条件に合うクルマが見当たらなかったのでそのままそのサイトを閉じたのに、その後関係のないサイトを見ていても、その会社のバナー広告に追いかけられる……。
みなさんもそんな経験はありませんか?
これが「追跡型広告」です。

追跡型広告の正体

リマーケティングあたりまえですが、広告は適切な相手に届けた方が効果が高くなります。ソーシャルゲームの攻略法を探している中学生に「中古車が安い!!」なんてバナー広告を見せても、絶対にクリックしてくれませんよね?そのためWEB広告には様々な情報からユーザーを分析し、そのユーザーにマッチしている(と思われる)広告を表示する手法があります。これを『ターゲティング』といいます。
そのターゲティングのひとつに、『リマーケティング』や『リターゲティング』と呼ばれる手法があります(以降呼び方をリマーケティングで統一します)。これは『一度特定のWEBサイトを訪れたユーザーに、そのWEBサイトの広告を表示する』というターゲティング方法です。
これこそが追跡型広告の正体です。
ターゲティング方法にリマーケティングを設定しているWEBサイトを一度訪れたが最後、「このユーザーはうちのサイトに興味があるはずだ!もう一度来てもらうために何度でも広告を見せよう!」となり、ストーキングが始まるわけです。
※リマーケティングについての技術的な説明は他所に譲ろうと思います。

追跡型広告の今

追跡型広告は本来、そんなに嫌われるものでは無かったはずです。興味関心が合致したユーザーに広告が届くことは、広告主(広告を出す企業)にメリットがあるだけでなく、表示される広告が自分の趣味嗜好にあったものになるという、ユーザー側のメリットもありました。

それが今や、追跡型広告は悪の代名詞のような扱われ方をしています。

  • 間違えてクリックしたサイトから延々追いかけられる……
  • もう興味を失った内容なのに、いつまで経っても広告が消えない……

広告のブロック追跡型広告の多くが上記のように、ユーザーの広告体験を著しく損なってしまっています。これでは当然ユーザーはそっぽを向きますよね。結果、ユーザーは広告をブロックすることを選び、広告主は見込み顧客に広告を届けられず……。
誰も得をしない、そんな状況に陥ってしまったのが今の追跡型広告です。
追跡型広告は今や、以前のような効果を上げられないだけでなく、広告主のブランドを棄損するリスクまで抱える広告になってしまいました。

追跡型広告の未来

と、ここまではけちょんけちょんに追跡型広告をけなしてきましたが……。ここからは未来のことを少し話してみようと思います。(多分に希望的観測が含まれます!)
現在ユーザーから「NO!」を突きつけられている追跡型広告ですが、未来に向けて少しずつ変化がはじまっています。本来目指していたユーザー体験の向上を実現しようと、広告業界側も広告プラットフォームも努力を重ねているんです。

たとえばこんな広告だったら、不愉快にはならないと思いませんか?

  • 海外旅行に行くことを検討しはじめたら、私の好みにピッタリでお得なプランをバナー広告がお勧めしてくれた!
  • 奥さんへのプレゼント特集なんてバナーが表示された。あ、そうだ結婚記念日まで後10日だったの忘れてた!

一人一人のための広告
こんな広告がリマーケティングと他の手法を組み合わせることで、もうすぐ実現できそうなんです!いつまでも追いかけてきてやかましいだけの広告ではなく、そっと寄り添うような広告。あなたのために最適化された、あなたのための広告。

近い未来、追跡型広告は快適・楽しい・便利な広告体験をもたらしてくれるはずです。いつか、その日の気分に合った温泉の広告に追いかけまわされる、そんな未来が来ることを願って。

WEBディレクター / H.M