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個性あるキャラクターづくり
「イメージの分解」と「擬人化」をしてみる

昨今、キャラクターを活用したマーケティングをよく見かけますね。TVCMでおなじみ、ゼスプリのキウイブラザーズや楽天グループのお買い物パンダなど…。自社商品やサービスを擬人化してキャラクター展開を広げています。各地域の特産品などがモチーフになったご当地ゆるキャラが人気だった時期もありました。

このようなキャラクターを活用したマーケティングには、個性あるキャラクターが必要です。でも商品やサービスをキャラクターに落とし込んでも他と差別化するのが難しい…。そんな時は「イメージの分解」と「擬人化」をヒントに考えてみましょう。

1 まずイメージを分解してみる

キャラクターのモデル・モチーフが決まったら、そのイメージを分解していきます。連想ゲームの要領ですね。

例として、りんごを分解してみました。

この作業で洗い出したいものは「りんごの『何が』大事なのか」つまり「何がそのモノたらしめるのか」です。哲学みたいになってきましたが、これを洗い出しておくことで、デザインする際のヒントになりますし、オリジナリティも生まれてきます。キャラ付けする際のヒントもここで出てくるので、良いことづくめですね。

今回だと「赤」「丸い」が見た目として重要そうです。「白雪姫」に出てくることから「お姫様」「ドレス」も要素として抜き出せました。キャラクターの要素として使えるかもしれません。

2 どのくらい擬人化するかで印象が変わる

擬人化というと、モノや生き物が美少女化・イケメン化することを想像しがちですが、そうとも限りません。

そもそも擬人化とは

人間以外のものを人物として、人間の性質・特徴を与える比喩の方法である。(Wikipediaより)

日本における擬人化を歴史的にみると、平安時代末期から鎌倉時代初期に描かれた国宝「鳥獣戯画」までさかのぼると言われています。二本足で立つカエルとひっくり返るウサギの場面が有名ですね。カエルやウサギ、サル達が水浴びをしたり、相撲をとったり…、人間らしい行動や仕草などをユーモラスに描いた絵巻物です。
また、大の猫好きだったと言われる歌川国芳は、人と同じように着物を着て生活している猫の浮世絵など、猫の擬人化作品を多く残しています。

上記から考えると、「姿形が人間化すること」というよりも「人間のように考える・話すことができる、行動できること」と大雑把に考えることができそうです。

擬人化の歴史に触れたところで、話を戻します。
必要な要素をある程度洗い出せたら、モノと人間の割合を考えてみましょう。

ほぼモノに近い場合、マスコットキャラクター感が強くなり、逆にほぼ人間に近い場合はアニメ・漫画感が強くなります。モノと人間の割合によって受ける印象が随分変わるので、ターゲット層によって変える必要がありそうです。
マスコットキャラクター寄りは、ファミリー層から年配層まで幅広い層に受け入れられやすい印象。
ほぼ人間寄りだとアニメや漫画に親しみのある若い世代向けになりそうな印象になります。

例えば、「ゆるキャラを作りたい」という相談があったとします。

ゆるキャラはその地域や企業の顔、すなわち象徴となるので幅広い年齢層をターゲットとした「親しみやすさ」を持つ必要があります。
子供から大人まで幅広い年齢層に愛されることを考えると、①や②寄りにするとクセもなく受け入れられやすくなりますが、他との差別化やそのキャラらしい特徴付けが難しくなります。だからと言って⑤に寄りすぎるとターゲット層を絞ってしまう可能性が出てきます。
「親しみやすいゆるキャラ」とすると、マスコットキャラ感・アニメキャラ感のバランスが半々くらいの③寄りで考えれば、ターゲット層を絞らない親しみやすいキャラクターができそうです。

まとめ

「イメージの分解」はキャラクターづくりの場合だけでなく、他のデザインの作業でも役立つ手法です。
「擬人化」も改めて調べてみると意外に奥が深く、人間化に限らずに考えると身近にいる多くのキャラクターが擬人化を利用していることが分かります。
「イメージの分解」と「擬人化」がこれからのキャラクターづくりのヒントになれば幸いです。

グラフィックデザイナー / K.Y