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会社の想いを、一つのブランドストーリーへ。
ワークショップを起点に、MVV策定から一貫した支援で、
社内外に新たなつながりを創出。

食品製造

株式会社 上野村きのこセンター様

  • ブランディング
  • WEBサイト
  • 紙媒体・パッケージ
  • イベント
  • ロゴマーク

群馬県上野村で完全無農薬しいたけの栽培・加工・販売を手がける株式会社上野村きのこセンター。菌床の製造から栽培、加工、配送までを自社で一貫して行う生産体制を強みに、高品質なしいたけづくりを続けています。一方で、これまで同社にはロゴやビジョン、ホームページといったブランドの基盤がなく、その魅力を十分に発信できているとは言えない状況でした。
マルキンアドでは、社員参加型のワークショップによるMVV(Mission・Vision・Value)の策定を起点に、ロゴマーク、商品パッケージ、パンフレット、名刺、WEBサイト、イベントツールなど、ブランドに関わるさまざまな制作物を一貫して支援しました。

今回は、ブランディングや商品企画、広報PRを担当する岸様に、ブランディングに取り組んだ背景やマルキンアドに依頼した理由、プロジェクトを通じて生まれた変化について伺いました。

まずは「自分たちが何者なのか」を整理することから

ブランディングに取り組む前の課題について教えてください。

岸様:

当社の主力事業はしいたけの栽培・製造です。菌床の製造から栽培、加工、配送までを自社で一貫して行っており、品質には大きな自信を持っていました。農業としては比較的大規模な生産体制を持ち、規格外品を活用した加工品づくりなど、新しい取り組みにも力を入れていました。

しかし、その魅力を外部に伝えるための仕組みが整っていませんでした。私が着任した当時はロゴもビジョンもなく、ホームページもありません。役場のホームページに少し情報が掲載されている程度で、会社としてどのような思いで事業を行っているのか、どんな人たちが働いているのかを発信する場がなかったんです。
実際に地域の方からも「きのこセンターって何をしている会社なの?」と言われることがありました。品質の高い商品をつくっていても、その価値が十分に伝わっていない。今振り返ると、知る人ぞ知る存在に留まっていたのだと思います。

また、商品ごとにデザインや見せ方が統一されておらず、会社としてどのような価値を提供しているのかも伝わりづらい状況でした。これから販路を広げ、新しい商品を展開していくためには、まず自分たちが何者なのかを整理し、社内外に伝えられる状態をつくる必要がある。そんな課題意識からブランディングをスタートしました。

良い商品をつくるだけでは選ばれない時代に必要なこと

ブランディングを進めようと思ったきっかけを教えてください。

岸様:

私は前職で食品のセレクトショップに勤務していました。全国の生産者さんを取材し、その商品が生まれた背景や作り手の思いを記事や販促物にして届ける仕事をしていたんです。その経験を通じて強く感じたのは、「良い商品をつくるだけでは選ばれない」ということでした。同じような商品が並ぶ中で、お客様が手に取る理由になるのは、生産者の思いや企業の姿勢、商品の背景にあるストーリーだということ。
だからこそ、上野村きのこセンターにもまだ伝えきれていない価値がたくさんあると感じていました。完全無農薬で栽培していること、一貫生産を行っていること、働く人たちの真面目な姿勢や地域への思い。そうした魅力は確かに存在するのに、それを言葉として発信できていませんでした。

食品会社として「おいしいものをつくる」のは当たり前です。その上で、なぜこの商品なのか、なぜ上野村きのこセンターなのかを伝える必要がある。今後ECサイトや都市部への販路拡大、新たなターゲットへの展開を考えたときに、まずは会社としての軸を整理し、一貫した発信ができる状態をつくることが重要だと考えました。
ブランディングというと見た目を整えることだと思われがちですが、私たちが取り組みたかったのはもっと根本的な部分です。自分たちが何を大切にし、どこを目指しているのかを明確にすること。その土台づくりから始める必要がありました。

社員の想いを言葉とデザインで「自分たちらしさ」へ変えていく

数ある選択肢の中で、マルキンアドに依頼した決め手は何だったのでしょうか?

岸様:

私たちが求めていたのは、ロゴやパッケージを制作してくれる会社ではなく、会社の価値や方向性を一緒に整理してくれるパートナーでした。プロジェクトでは、若手社員を中心にワークショップを実施し、「どんな会社にしたいか」「どんな未来を目指したいか」といったテーマについて話し合いました。普段は黙々と仕事をする社員が多いので、最初はどこまで意見が出るのか不安もありましたが、実際には皆それぞれに会社への思いや考えを持っていました。マルキンアドさんは、その言葉を丁寧に拾い上げながら、自分たちでは整理しきれなかった考えをMVVとして形にしてくれました。バラバラに存在していた思いや価値観が、一つのストーリーとしてつながっていく感覚がありましたね。「やっぱりプロだな」と感じた瞬間でした。

また、ロゴやデザイン制作についても一方的に提案するのではなく、一緒に考えながら進めてくれたことが印象的でした。私は余白や枠の太さなど、細かなディテールまでこだわるタイプなのですが、その意図をしっかり汲み取りながら期待以上の形で返してくれることが多く、「一緒につくっている」という実感がありました。
言葉とデザイン、その両面から伴走してもらえたこと。そしてロゴやパッケージだけではなく、ブランド全体の方向性まで一緒に考えてもらえたことが、マルキンアドさんにお願いして良かったと感じている理由です。

共通言語が生まれ、組織に自然と芽生えた一体感

MVVやロゴが完成した後、社内にはどのような変化がありましたか?

岸様:

一番大きかったのは、会社の目指す方向が共通言語になったことです。以前から社員それぞれに思いはありましたが、それを共有する機会はほとんどありませんでした。ワークショップを通じて生まれた言葉がMVVとして整理され、ポスターやタペストリーとして社内に掲示されたことで、「会社が何を目指しているのか」が誰にでも分かるようになったんです。
実際に社員からも「なるほど、そういうことだったんだ」という声がありましたし、75歳のベテランスタッフからも「会社が何をしたいのか分かりやすくなった」という反応がありました。世代や立場を超えて共通認識が生まれたことは、とても大きな成果だったと思います。

また、自分たちがつくったしいたけが加工品となり、新しいパッケージで店頭に並ぶようになったことで、社員の意識にも変化が見られるようになりました。「もっと多くの人に知ってほしい」「自分たちの商品を誰かに紹介したい」といった声が増え、会社や商品を自分事として捉える人が増えてきたように感じています。
ブランドは外に向けたものだと思われがちですが、実際には社内への影響も非常に大きいと感じています。自分たちの仕事がどこにつながり、どんな価値を生み出しているのか。その共通認識が生まれたことで、組織としての一体感も以前より強くなったように思います。

開かれたきのこセンターへ。広がる可能性とこれからの挑戦

ブランドを整えたことで、社外からの反応にはどのような変化がありましたか?

岸様:

一番の変化は、地域や外部との接点が増えたことです。
以前はホームページもなく、外から見ると何をしている会社なのか分かりづらい部分がありました。働いている人の顔も見えないですし、どんな思いでしいたけづくりをしているのかも伝わっていなかったと思います。
ですが、ロゴやWEBサイト、商品パッケージなどを統一し、SNSやイベントを通じて発信を続けたことで、村の方々からも「きのこセンター変わったね」「明るくなったね」と声をかけてもらえるようになりました。

私自身、このプロジェクトを通じて「開かれたきのこセンター」になれたと感じています。以前はどちらかというと、外から見ると中の様子が分からない存在でした。それが今では、働いている人や会社の考え方、商品の魅力を見てもらえるようになった。地域との距離も以前より近くなったと感じています。
また、ホームページ経由での問い合わせも増えています。広告や営業の提案だけでなく、YouTubeやInstagramでのコラボレーション相談など、以前では考えられなかったような連絡をいただくこともあります。発信することで、新しい出会いや可能性が生まれていることを実感しています。

今後はどのような展開を考えていますか。

岸様:

これまでは道の駅での販売が中心でしたが、今後はECサイトや都市部でのマルシェ出店、さらにはマタニティ・離乳食市場への展開にも力を入れていきたいと考えています。
私たちのしいたけは完全無農薬で、加工品もできるだけシンプルな原材料にこだわっています。小さなお子さんがいる家庭や、安心・安全な食材を求める方々にもっと届けられる可能性があると思っています。
また、新商品の開発も進めています。これまで廃棄されていた小さなしいたけを活用した商品など、新たなチャレンジも始まっています。
ブランディングを進めたことで、私たちが目指す方向が明確になりました。販路や事業が広がっても、自分たちが大切にしたいことは変わりません。その軸ができたことは、これからの挑戦において大きな財産になっていると感じています。

デザインだけでなく、「自分たちらしさ」を見つめ直したい企業にこそおすすめしたい

今回のプロジェクトを振り返って、マルキンアドはどのような企業におすすめしたいですか?

岸様:

ロゴやホームページを作りたい企業はもちろんですが、それ以上に「自社の強みや魅力をうまく言葉にできていない企業」におすすめしたいですね。私たち自身、最初からロゴを作りたかったわけではありません。まず必要だったのは、自分たちが何者で、どこを目指しているのかを整理することでした。
マルキンアドさんは、見た目のデザインだけでなく、その会社らしさや働く人たちの思いを丁寧に引き出しながら、言葉も一緒にデザインしてくれます。自分たちだけでは気づけなかった価値や強みを整理してもらえたことは、とても大きかったですね。
また、制作物を納品して終わりではなく、ブランド全体をどう育てていくかという視点で伴走してくれる点も心強かったです。会社として次のステージに進みたい、社員の思いを一つにしたい、自社の価値をもっと伝えていきたい。そんな企業にとって、良いパートナーになってくれると思います。

「開かれたきのこセンター」への歩みは、まだ始まったばかりです。
これからも上野村きのこセンター様らしさを大切にしながら、新たな挑戦やさらなる価値発信に向けて伴走させていただければと思います。貴重なお話をありがとうございました。
※掲載内容は取材当時のものです。

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