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紙媒体は衰退するのか?
〜紙の魅力について考えてみた〜

紙媒体は衰退するのか?

メディアの筆頭として挙げられていた紙媒体。近年では電子メディアの台頭により相対的な比重が下がってきたことは誰しもが認めざるをえないでしょう。
それでは、「紙媒体」と言われるものは、今後なくなってしまうものなのでしょうか。例えば新聞のように最新の情報を多くの人に知らせるもの。情報の速さという意味ではインターネットにはかないません。情報の端末として見ると紙媒体の衰退は仕方のないことなのかもしれません。
しかし今回は、媒体としてではなく、モノとして見たときの魅力を挙げてみたいと思います。

紙の質感

紙の質感もし手元に何冊か本があったら見比べてみてください。表紙、本文などきっと紙が違っていると思います。同じ厚みの本でも重さが違うなんてこともあります。もし今まで気にしていなかったら、今後はぜひ気にしてみてください。本だけでなく、毎日のように送られてくるDMや、日ごろ食べているお菓子の箱。あなたの視覚・触覚・嗅覚に訴えかけてくるお気に入りのモノが見つかるかもしれません。

紙の所有性

紙の所有制何かのこだわりを持ってモノを集めている人はたくさんいると思います。使わないけど飾りたい!最初から最後まで全部揃えたい!など所有欲に訴えかけるような、モノとしての印刷物。そんな欲求を満たしてくれる一面もあります。

少し話が変わりますが、スクラッパーとしても有名なみうらじゅんさんのスクラップ本の数は何百冊にも及ぶとか。子どもの頃から行っていたというスクラップ本は、長い年月を経て歴史を感じさせる味わい深いモノとなっています。こういった年月と共に刻まれる「味」も紙の魅力と言えるでしょう。
みうらじゅんさんのスクラップブック

紙の保存性

紙の保存性印刷の歴史を調べていると、日本の奈良時代にあたる8世紀の書物「百万塔陀羅尼経」が、最古の印刷物として挙げられています。悠久の時を経て現世に残るモノ。…とてつもないロマンを感じます。と、ここまで古いものでなくても、小さいころのお気に入りの絵本がまだ、手元に残っている方もいるのではないでしょうか。愛着の沸いたモノをずっと手元に置いておける。使い捨てが当たり前になっているご時世で、手に入れたという実感ごと残しておけるのも魅力の一つではないでしょうか。

その他、紙の優れている点は様々あります。目に優しい、不用意な拡散を防げる、集中しやすい、頭に残りやすい…などなど。インターネットで意見を拾ってみましたが、情報収集にはやはりインターネットが便利だと深く実感します。

まとめ

まとめ個人的な意見も含め紙媒体について述べてきましたが、今回の記事を書くにあたり雑誌にインターネットにと、私も両方の媒体から情報を得ました。同じ情報でも媒体によって、受け取り方も違ってきます。語りつくせないほどのメリット・デメリットがどちらにもあり、どちらもなくてはならない存在だと改めて実感しました。これからの時代は更にモノのデジタル化が進んでいくでしょう。しかし実際に本などを手にしたときの、手触りや重み、印刷の臭いなど、便利さだけでは語れない五感を刺激するものが紙媒体にはあります。きっと多くの人がどちらか一つには絞れないと思います。そんな人間の欲張りな部分も満たしつつ、紙とインターネットが共存し、今よりもっと密接で価値を高め合う関係になるようなあり方を、デザインという手法を通して探っていければと思います。

営業 / K.M