ユーザーにとって価値ある情報を繰り返し発信していく「まるログ」

利用者にやさしいスマホ用画面設計

スマホの日常操作から感じたこと

以前より自宅で過ごすことが多くなり、スマホ画面に向かい合う時間が増えていませんか?
私自身も例外ではなく、私の場合ショッピングサイトの利用が増えたように感じています。皆さんはどうでしょうか?楽しいですよね、お買い物♫
Web上でお買い物する場合、決まった一つの商品を検討する場合にも色々なサイトを閲覧しますよね?現物ではなく画像やスペック情報で比較検討しなければならないのですから、慎重になります。
私ごとで恐縮ですが、自転車が好きなので自転車パーツをWeb上で探します。それも最近始まった習慣なのですが、パーツってなかなか難しいんです。デザインが気に入っても自分の愛車に適合するかはよく調べなければならないし、同じパーツでもサイズ展開があり、サイズによっては欠品だったり…。そのようにして、あちこちとWebショップを巡る行動サイクルの中で気になることを発見したのです。
それはナビゲーションの位置でした。
スマホのナビゲーションってほとんど画面上部に設けられていますよね?
これが操作する上で「遠く」感じるのです。片手操作だと尚更です。
遠いナビゲーションをタップする操作をいろいろなサイトで繰り返す、結果、動作としてストレスを感じ始めます。でもユーザーが使いやすいようにナビゲーションを引き寄せる、なんてことはできません。そんな中、私自身Web制作に関わる1人として、責任を感じ始めました。

スマホ向けの画面設計

もちろん、世の中のWebサイトやアプリ全てが上部にナビゲーションを設置しているわけではなく、画面下部に設置していてユーザー操作に配慮したインターフェースもあります。
調べてみると同じ問題を論じている記事ページもあったので、ここで改めて膨大なサイトの調査は行いません。
モバイルではメニューを画面下に表示すべき理由
ただ、多くのスマホサイトが画面左上に会社ロゴを設置し、右上にハンバーガーメニュー(もしくは左右逆)があるのが現時点での状況と言えるでしょう。
インターフェースの基本構成が似通っていることにはメリットもあります。メニューボタンを例にとれば、スマホを使ってサイトをよく見る利用者は、ほとんど意識することなく「画面上部にメニューボタンがある」とそれまでの経験から「記憶」されているので迷いなく操作を実行することができます。
一方で最近ではスマホの画面の大きさも様々で「画面上部」が主な操作を行う親指からは遠く感じる機種もあると思います。そのためか一部のスマホ標準ブラウザは検索窓などユーザー操作が必要な機能を画面下部に下ろした対応も見られます。
上か下か、ここではなかなか結論を出すことは難しいですが、ただ「なんとなく」PCサイトと同じように操作メニューを画面上部に持ってくる、という対応は利用者にネガティブな印象を与える恐れがあるということも意識した方が良いでしょう。

開発者側の盲点

前述のとおり、私自身の体験から感じたように利用を繰り返すことで違和感や不便さに気づくこともあります。小さな不快感でも繰り返されることで、そのWebサイトオーナーや企業への不信感、「利用者のことがわかっていない企業だ」という感情につながる事態になりかねません。
Webデザインを通して画面設計を行う私も、スマホ画面は「PC上」で制作し、実機での検証も「表示に不具合はないか、テキストの可読性は問題ないか」といった観点での調整に終始してしまう傾向にありました。しかしその観点だけで、利用者側に立った使いやすいWebサイトが実現できるでしょうか?
発注者であるお客様、企業様の要望を汲み取ることも大切です。ただサイトの向こう側、見えない利用者のことを考え、プロフェッショナルとしての知見をきちんと画面設計に盛り込むことはこれからさらに必要となってくることでしょう。

まとめ

「メニューボタンの位置」というきっかけから、利用者にやさしいWebサイトとはどういうことかという考察に及びました。大多数がそのようにしているから、という慣習の所為なのか、画面設計も従来通りという思考停止状態は好ましい状況とは言えません。
特にスマホのように、スピーディーに進化・変化していくデバイスにおいては、数年前に「標準的」と思われていた画面設計も、今日では「使いづらく」感じることもあるでしょう。したがって、定期的な再検討や改修は必須であると言えます。
「Webサイトはもう既に持っていて運用している」という方も、もう一度利用者目線になって見直してみるのも決してムダではないと思いますよ。

WEBデザイナー / S.K